町奉行では裁けない町内の民事事件を裁定する町名主。その跡取り息子である高橋麻之助(福士誠治)と、隣町の町名主の跡取りで、色事にかんしては凄腕の八木清十郎(桐山漣)、同心見習いで腕はたつが、石部金吉の相馬吉五郎(趙珉和)は、幼なじみの親友同士。
麻之助は16 までは真面目で優秀な少年だったが、あるときを境に、お気楽な遊び人になってしまう。普段はとんと頼りにならない麻之助だが、実はその推理力には並外れたものがある。毎回、麻之助のもとに持ち込まれるのは、切った張ったの殺伐とした事件ではなく、江戸庶民のかかえるささいなもめ事。ところが、ひとたびもめ事が持ち込まれると、麻の如く乱れて解きほぐしがたい事件を、思いもつかない方法で鮮やかに解決していく。